ライオン王子に飼われたネコさん。

「あら、ダメよ」

どうにも面白がっていて、おまけに真白を猫にした張本人である紅羽には黙っていなければならないものだったが心の中で思ったことも全て流出してしまうことを忘れていた。

「キスした瞬間、人間の真白ちゃんになれるでしょうけど素っ裸よ?」

想像してみた。
ライオン王子にキスをした瞬間、喰われる自分を。

(絶対嫌!)

しかし、そうなると一生この部屋から出れないのでは、という恐ろしい結論に至る。

「真白ちゃんがそろそろ満足したかなぁ〜って頃合いに服とか必要なものは届けてあげるわ。もし、満足してないのにキスしちゃったら私はし〜らない」

(紅羽さん次第ってことじゃないですか!)

「そうとも言う〜」

何をもって満足したと判断されるのかが全く基準がわからない。人の尺度では対処のしようがない。

ずっと猫のまま怜音の側で暮らし続けなければならないなんて耐えられないのに。

絶望に染まるマシロに紅羽は困ったように眉を下げて笑った。

「やぁね、何も死ぬまでってわけじゃないわよ。最低で一週間、長くても二週間か三週間くらいかしら。流石に一ヶ月以上は私の魔力が持たないもの」

(それ、下手したら年越しちゃうってことじゃないですか。)

憎まれ口を叩きつつも期限があることにホッとした。

「真白ちゃんが延長して欲しいならおねーさんは無理してでもがんばっちゃうけど?」

(ご遠慮願います。)
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