ライオン王子に飼われたネコさん。
(やめてください!)
ボンっと一気に上がった体温と、恥ずかしさのあまり全身を掻きむしりたくなる。
「だ〜って、マシロちゃんが分からないように怜音だって自分の匂いなんて分からないはずよ?だったら余程真白ちゃんの匂いが好みってことにならない?」
(あいつが匂いフェチの変態で、たまたま"猫"の匂いが好きだったって話だと思います!)
だから決して、真白の匂いが好みなわけじゃない。
時々べったりくっついてくることはあったけれど、匂いを嗅がれたこともないし、「いい匂い」だと特に言われた記憶もない。
ということは、猫のマシロの何かしらの匂いが彼の好みのものだったということだろう。
それだけの話だ。
「私はもっと本能的なものだと思うけどねぇ。だって怜音って本能的な男でしょ?」
真白もそれは認められる。
彼ほど本能に忠実な男は知らない。
だけど、彼が本能的な男だからと言って、彼の反応が真白を求めているということにはならない筈だ。
もし求めているとすれば、種族的問題は発生するがそれは猫のマシロだ。
(どちらにせよ。怜音に飼われるつもりはありませんし、もちろん猫のままでいるつもりもありません!紅羽さんが私と怜音にどうなって欲しいかは薄々分かってきましたが絶対にないんです!)
何度も彼を許してきた。いつかは結婚する未来もあるんじゃないかとどこかで期待して、待っていた。
だけど、怜音は何度も同じことを繰り返した。真白だってそろそろ堪忍袋の緒が切れるってものだ。
彼女はとっくに待ち疲れたし、もう許すつもりはない。
それに、怜音だってどこぞの美人と真剣交際ときたのだからお互いに終わったこと。
真白がもう無理だと思って別れを選んだように怜音だってもう新しい道を選ぶ時なのだ。