ライオン王子に飼われたネコさん。
見つけたからといって、それをどうこうするつもりはないし、そもそもどうすることもできない。捨てることも隠すことも持ち出すこともできやしない。

今は人間の姿じゃないからと言う大前提と、どれだけ怒り狂っても流石にそんなことはできないというなけなしの良心はある。

ただ見つけて、悔しがって、きっぱりと諦めて終わり。それが目的なだけ。

リビングや衣装部屋を探したがなかったので大本命の寝室へ。

クローゼットの中にはないことは確認した。後はベッドサイドにあるチェストしか可能性はない。

(正直、ここは見たくなかった。)

指輪なるものは見つけたいがそれ以外は別に見たくないのだ。

覚悟を決めて一段目。

……やはりあった。けれどそれは指輪ではない。

そっと引き出しを閉じて次の引き出しを開けるもない。

女物らしきものはなくてホッとしてしまう自分と別れを告げたい。寧ろ、一つぐらい女の影なるものを見つけられたらよかったのかもしれない。

何よりも噂のものを見つけたかったがなかった。

あと幾つか探していない部屋があるが、可能性が高い部屋は全滅してしまった。

「ガセネタかー」

芸能ニュースなんて所詮は第三者目線から見たもので、結局のところは本人たちにしかわからない。

彼が二度に渡ってようやく買った品物が何なのか、誰に宛てたものなのか、それがどこにあるのかは本人のみぞ知る。
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