ライオン王子に飼われたネコさん。

さっきから微動だにせず、画面に釘付けの銀。
試しにルナがキャットタワーからおもちゃを落としても気づいていないようだった。

(ね?)

(うーん。バレたら怖いのでやめときます。)

(そう。私は紅羽みたいに魔力が強くないし、今は諸事情で魔力を貯めておきたいから魔法関係では役に立たないだろうけど、他のことなら協力するからどうしてもって時は我慢せずに言うのよ。)

きっと紅羽なら「え〜。つまらないじゃな〜い!」と言ったに違いない。

目の前の銀青色の毛並みを持つ美猫が女神見える。
真白はルナを崇め奉りたくなった。

紅羽はグラマラスで妖艶な美女だが、ルナの本当の姿どんなものなのだろう。

超絶美女だろうということだけは真白の中で確定事項だった。

名前が外国っぽいことやロシアンブルーということからもしかしたら日本人ではないのかもしれない。

いつかルナの本当の姿を見られた暁には最大限のお礼をしなくては。

この時の真白はジーンとしながらそんなことを思っていた。


……ルナもまた、魔女だと言うのに。
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