ライオン王子に飼われたネコさん。
ライオンの回想
日本から約九時間の時差があるイギリスにて、怜音ことLeoは来年夏に発売される雑誌の撮影を行っていた。
撮影期間は四日間とされているが気難しいことで有名な写真家が指揮を取っており、当初長引くだろうと誰もが覚悟を決めていたのだが。
眩いばかりのブロンド、射抜くような獰猛なアンバーの瞳、整った顔と肉体美、そして他者を圧倒させるオーラ。
その場の誰もがLeoという男に魅了される。
それはもちろん、気難しい写真家も例外ではなく、次々にOKを出しては次のアイデアへ移り、前倒しで撮影は行われた。
撮影二日目には用意されていた衣装全てに袖を通してしまい、三日目の撮影地を以って終了してしまった。
次に撮影する時にはアイデアを倍に増やして着用ブランドにもっと大量に用意しておくようにお願いしておくと言われてしまう始末だ。
フーッと息を深く吐き出す怜音に桃坂は驚きと嬉しさを滲ませた表情で隣に立った。
「どうしたの?いつもより集中してたじゃない」
ここ最近のLeoの仕事ぶりには桃坂も感心していたが、今回はその比ではなかった。集中力がものを言うこの仕事で三日間全く切れず、ダメ出しも一切なく全てが完璧だった。
(いつもこうだといいんだけど。)
タブレットで予定を書き換えながら予定変更について報告をする。
「明日はオフになったから自由に行動していいけど、問題行動だけはよしてよ」
「今日帰るから関係ない」
「あー、今日ね。はい、はい!?帰りの便は明日ですけど?」
タブレットから顔を上げた時にはすでに怜音は隣におらず、彼は桃坂を振り返ることなく告げた。
「予約し直せ。今日ここを発つ」
「……でたよ、無茶振り」
明日は仕事をさっさと終わらせて観光に行こうとウキウキしていた桃坂の予定はガラガラと崩れ落ちた。
がっくりと肩を落としながら桃坂は明日の便をキャンセルし、今日中にイギリスを発つ便を探すのだった。
撮影期間は四日間とされているが気難しいことで有名な写真家が指揮を取っており、当初長引くだろうと誰もが覚悟を決めていたのだが。
眩いばかりのブロンド、射抜くような獰猛なアンバーの瞳、整った顔と肉体美、そして他者を圧倒させるオーラ。
その場の誰もがLeoという男に魅了される。
それはもちろん、気難しい写真家も例外ではなく、次々にOKを出しては次のアイデアへ移り、前倒しで撮影は行われた。
撮影二日目には用意されていた衣装全てに袖を通してしまい、三日目の撮影地を以って終了してしまった。
次に撮影する時にはアイデアを倍に増やして着用ブランドにもっと大量に用意しておくようにお願いしておくと言われてしまう始末だ。
フーッと息を深く吐き出す怜音に桃坂は驚きと嬉しさを滲ませた表情で隣に立った。
「どうしたの?いつもより集中してたじゃない」
ここ最近のLeoの仕事ぶりには桃坂も感心していたが、今回はその比ではなかった。集中力がものを言うこの仕事で三日間全く切れず、ダメ出しも一切なく全てが完璧だった。
(いつもこうだといいんだけど。)
タブレットで予定を書き換えながら予定変更について報告をする。
「明日はオフになったから自由に行動していいけど、問題行動だけはよしてよ」
「今日帰るから関係ない」
「あー、今日ね。はい、はい!?帰りの便は明日ですけど?」
タブレットから顔を上げた時にはすでに怜音は隣におらず、彼は桃坂を振り返ることなく告げた。
「予約し直せ。今日ここを発つ」
「……でたよ、無茶振り」
明日は仕事をさっさと終わらせて観光に行こうとウキウキしていた桃坂の予定はガラガラと崩れ落ちた。
がっくりと肩を落としながら桃坂は明日の便をキャンセルし、今日中にイギリスを発つ便を探すのだった。