ライオン王子に飼われたネコさん。

「君が捨て猫だったなんて不思議でならないな。こんなに可愛いのに」

ちらりと目線を上げれば神々しいほどに美しく柔らかな笑みの銀。

贅沢なことにイケメンに囲まれているとイケメンに対して多少は耐性ができるのだが、不意打ちの破壊力は不可攻略。

国宝級イケメンの一人に微笑まれてドキドキしてしまうのは仕方がなかろう。

真白は元々、芸能関係は詳しくなく、推しなるものはいなかったがこれを機に銀を推そうかとさえ思えてしまう。

おまけに「可愛い」とか「綺麗」だとかお世辞だとしてもそんなことを言われ、チヤホヤされて舞い上がらされ、優しくされて……。

(こんなの、私じゃなかったらみんな恋しちゃってるよ!?)

勘違いしてしまう女性続出待ったなし。
冬染寺銀、恐ろしや。

もちろん、人相手にする時と猫を相手にする時とでは対応が違ってくるのだろうが恋人にはこんな感じだろう。

(銀ちゃんの恋人は幸せ者だろうなぁ……。)

記念日を大切にして、季節毎の行事にも積極的で、家事も一緒にしちゃったり、それから、髪型や服装の変化にもきっとすぐに気づいて褒めてくれて。

真面目で優しい銀の性格ならきっと、というそんな想像がぽんぽんと現れてくる。



そのどれも怜音にはなかったものだ。

張り切っておしゃれをしても何も言われず、「好き」だと伝えてもそれが返ってこない。

付き合って何年経ったかさえ覚えているか怪しい。


(我ながらよくそれで五年も続いたよなぁ。)
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