悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました


 すると、彼女たちは目を見合わせてくすくすと肩を揺らした。

 その空気が穏やかではないと察したベルナルド様も気配が変わる。


「男関係で国外追放されたのにまだ色目を使っているなんて、人って変わらないのね」

「男性をたぶらかしてお家に転がり込むなんて、さすがエスターさんだわ」


 全部聞こえていますけど、わざと?

 ひとりなら我慢できた。でも、ベルナルド様にだけは聞いて欲しくない。

 私がどういう扱いを受けていたのか。婚約者のいる男をたぶらかした悪女だとされてきたとは知られなくなかった。

 しかし、心に暗いモヤが立ち込め始めたとき、声を上げたのはベルナルド様だった。


「貴様らはエスターのなにを知っている?少し甘噛みしたくらいで赤くなるような初心な女が、男をたぶらかせるはずないだろう」


 カティアも取り巻きたちも言葉を失った。

 深い関係を匂わせる発言は、彼女達に与えるダメージが相当だったようだ。

 鋭い口調は敵意に満ちていて、震え上がるほど怖い。だけど、そのセリフは世界一優しくて涙が溢れそうになる。


「エスターは気高く美しい女だ。これ以上、俺の妻を侮辱するな」

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