獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!
人々の波を割り、マクシミリアン様は真っ直ぐに少女の元に向かう。
「もう離すんじゃないぞ」
ポカンと見上げる少女に、マクシミリアン様はそう言って風船を差し出した。
「あ、ありがとう!!」
少女は目を真ん丸にしてお礼を告げ、マクシミリアン様の手から風船を受け取ると、胸前でギュッと持ち手の紐を握り締めた。
目の前で繰り広げられる心温まる光景を微笑ましい思いで見つめていたら、突然、マクシミリアン様が私を振り返った。
目と目が合った瞬間、文字通り縮み上がった。
その表情は悪鬼の如く歪み、おどろおどろしいことこの上無い。噴水の冷たい水を優に超える氷点下の眼差しに、ビクンッと体が跳ね歯の根がカチカチと音を立てた。
「お前はいつまで噴水に浸かっている気だ」
恐々と見つめる私にマクシミリアン様は大股で歩み寄るとガシッと腕を掴み、問答無用で噴水の外に引っ張り上げた。
「寒空の下でいつまでも濡れたままでいる馬鹿があるか。震えているじゃないか。さっさと行くぞ」
「もう離すんじゃないぞ」
ポカンと見上げる少女に、マクシミリアン様はそう言って風船を差し出した。
「あ、ありがとう!!」
少女は目を真ん丸にしてお礼を告げ、マクシミリアン様の手から風船を受け取ると、胸前でギュッと持ち手の紐を握り締めた。
目の前で繰り広げられる心温まる光景を微笑ましい思いで見つめていたら、突然、マクシミリアン様が私を振り返った。
目と目が合った瞬間、文字通り縮み上がった。
その表情は悪鬼の如く歪み、おどろおどろしいことこの上無い。噴水の冷たい水を優に超える氷点下の眼差しに、ビクンッと体が跳ね歯の根がカチカチと音を立てた。
「お前はいつまで噴水に浸かっている気だ」
恐々と見つめる私にマクシミリアン様は大股で歩み寄るとガシッと腕を掴み、問答無用で噴水の外に引っ張り上げた。
「寒空の下でいつまでも濡れたままでいる馬鹿があるか。震えているじゃないか。さっさと行くぞ」