獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!
なによりガブリエルのせいで、眩い肢体をとっくと眺め、あわよくば俺の手で珠の肌に結ばれた水滴を舐めるように拭き取り、さらに隙あらばその柔肌に唇を寄せて俺の印を刻もうかという目論見が頓挫したのだから、内心の憤りは大きかった。
「おっま、とんだ暴君だな!?」
「なんとでも言うがいい!」
ガブリエルは目を丸くして叫ぶが、俺は取り合わずにフンッと鼻息を荒くしてそっぽを向いた。
――キィイィ、パタン。
「……えっ!? おふたりともずっと廊下で待っていてくださったんですか? すみません、お待たせしました!」
そうこうしている内、借り物の衣裳を身に着けたヴィヴィアンが、使い終わったタオルを手に廊下に出てきた。俺たちに気づくと、恐縮しきりの様子でパタパタと駆けてくる。
「ヴィヴィアン、ちゃんと温まれたのか? ほら、まだ髪の芯が濡れている。拭いてやろう」
大股でヴィヴィアンの元に歩み寄り、その手からタオルを取り上げると、湿り気を残す金糸のような髪にあてる。
「い、いえ! それでしたら自分で……っ!」
「おっま、とんだ暴君だな!?」
「なんとでも言うがいい!」
ガブリエルは目を丸くして叫ぶが、俺は取り合わずにフンッと鼻息を荒くしてそっぽを向いた。
――キィイィ、パタン。
「……えっ!? おふたりともずっと廊下で待っていてくださったんですか? すみません、お待たせしました!」
そうこうしている内、借り物の衣裳を身に着けたヴィヴィアンが、使い終わったタオルを手に廊下に出てきた。俺たちに気づくと、恐縮しきりの様子でパタパタと駆けてくる。
「ヴィヴィアン、ちゃんと温まれたのか? ほら、まだ髪の芯が濡れている。拭いてやろう」
大股でヴィヴィアンの元に歩み寄り、その手からタオルを取り上げると、湿り気を残す金糸のような髪にあてる。
「い、いえ! それでしたら自分で……っ!」