獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!
柔和な笑みを浮かべながら、内心では仄暗い所有欲が満たされて舌なめずりをしていた。
「たしかにマントに虫は付いていないが、言うなればマント自体が害虫の羽……ァガッ!!」
姦しいガブリエルの足先に踵を落とすと、妙ちくりんな悲鳴の後、目論見通り静かになった。
「ガブリエル様、どうされました? 大丈夫ですか?」
涙目で爪先を押さえるガブリエルに、ヴィヴィアンが女神の如く手を差し伸べる。
「大丈夫なわけがあるか! とんでもねぇ害虫が俺の足に攻撃を……いや、大丈夫だ。なんでもない。俺も勘違いだった。……ことにしておく。まだ、命は惜しいからな」
俺が射殺す気迫を込めてギンッと睨みを利かせたら、ガブリエルは言葉途中で前言を撤回し、ヴィヴィアンの手を取ろうと伸ばしかけていた手もすごすごと引っ込めた。
その後に口内で不満げにもごもごと何事か呟いていたが、そんなのは俺の知ったことではない。
「ふふっ。ふたりして虫に襲われたように錯覚するなんて、不思議なこともあるんですね」
「たしかにマントに虫は付いていないが、言うなればマント自体が害虫の羽……ァガッ!!」
姦しいガブリエルの足先に踵を落とすと、妙ちくりんな悲鳴の後、目論見通り静かになった。
「ガブリエル様、どうされました? 大丈夫ですか?」
涙目で爪先を押さえるガブリエルに、ヴィヴィアンが女神の如く手を差し伸べる。
「大丈夫なわけがあるか! とんでもねぇ害虫が俺の足に攻撃を……いや、大丈夫だ。なんでもない。俺も勘違いだった。……ことにしておく。まだ、命は惜しいからな」
俺が射殺す気迫を込めてギンッと睨みを利かせたら、ガブリエルは言葉途中で前言を撤回し、ヴィヴィアンの手を取ろうと伸ばしかけていた手もすごすごと引っ込めた。
その後に口内で不満げにもごもごと何事か呟いていたが、そんなのは俺の知ったことではない。
「ふふっ。ふたりして虫に襲われたように錯覚するなんて、不思議なこともあるんですね」