獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!
二時間ほどの時間をかけてコース料理に舌鼓を打った後、俺たちはついに劇場へと場所を移した。
表面上は平静を取り繕っていても、これから舞台にあがるヴィヴィアンのことが気になって、まるで心が落ち着かなかった。
「本日の演目は【ロミエとジュリエッテ】。国を問わず、広く知られた名作でございます」
「ハッ! それくらいなら俺でも知っている。愛し合いながら国の分断で結ばれなかったしけた話……っと、ゴホン。つい本音が出ちまったが、まぁ気にするな」
案内役の女性のこめかみがガブリエルが口にした「しけた話」の件でピクリと、ほんの僅かに動く。それに気づいたからなのかは分からないが、ガブリエルはこれ見よがしな咳払いの後、フォローになっているんだかいないんだかよく分からない台詞を続けた。
「どうやら話の大筋はご存知のようですね。本公演で主演を務めますダミアンは――」
「説明の最中にすまんが、先ほど支配人から報告を受けた。主演はそのダミアンから別の俳優に交代になったそうだ」
「そうなのですか!?」
表面上は平静を取り繕っていても、これから舞台にあがるヴィヴィアンのことが気になって、まるで心が落ち着かなかった。
「本日の演目は【ロミエとジュリエッテ】。国を問わず、広く知られた名作でございます」
「ハッ! それくらいなら俺でも知っている。愛し合いながら国の分断で結ばれなかったしけた話……っと、ゴホン。つい本音が出ちまったが、まぁ気にするな」
案内役の女性のこめかみがガブリエルが口にした「しけた話」の件でピクリと、ほんの僅かに動く。それに気づいたからなのかは分からないが、ガブリエルはこれ見よがしな咳払いの後、フォローになっているんだかいないんだかよく分からない台詞を続けた。
「どうやら話の大筋はご存知のようですね。本公演で主演を務めますダミアンは――」
「説明の最中にすまんが、先ほど支配人から報告を受けた。主演はそのダミアンから別の俳優に交代になったそうだ」
「そうなのですか!?」