獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!
耳にした瞬間、マクシミリアン様はカッと目を見開き、次いで触れれば切れそうな氷点下の眼差しをガブリエル様に向けた。出発前にモフらせてもらいトガトガが治ったはずの尻尾も、再びビリリと毛が逆立ってしまっていた。
……なに?
囁きの中に微かに私の名前が聞こえたような気もしたが、詳細まではよく分からなかった。ふたりの顔を交互に見ていたら、ガブリエル様が私を振り返りニンマリと口端をあげる。
ガブリエル様はすぐにマクシミリアン様に目線を移してしまったけれど、私は彼が浮かべた意味深な笑みが気になって仕方なかった。
「ま! とにかく、皇宮に帰り着いたら晴れて調印式だな!」
ガブリエル様はマクシミリアン様の肩をバッシバッシと叩きながら高笑いする。
「おっと、今夜は次の町で夜営の予定だろう? さっさと行かねえと、日が暮れちまうぜ」
「言われずとも分かっている。……少し黙れ」
マクシミリアン様は凄みのきいた顔でガブリエル様をひと睨みすると、ビリビリと尖った尻尾を彼の横っ腹にドフッと捻じ込んで強制的に黙らせた。
「ァガッ!!」
……なに?
囁きの中に微かに私の名前が聞こえたような気もしたが、詳細まではよく分からなかった。ふたりの顔を交互に見ていたら、ガブリエル様が私を振り返りニンマリと口端をあげる。
ガブリエル様はすぐにマクシミリアン様に目線を移してしまったけれど、私は彼が浮かべた意味深な笑みが気になって仕方なかった。
「ま! とにかく、皇宮に帰り着いたら晴れて調印式だな!」
ガブリエル様はマクシミリアン様の肩をバッシバッシと叩きながら高笑いする。
「おっと、今夜は次の町で夜営の予定だろう? さっさと行かねえと、日が暮れちまうぜ」
「言われずとも分かっている。……少し黙れ」
マクシミリアン様は凄みのきいた顔でガブリエル様をひと睨みすると、ビリビリと尖った尻尾を彼の横っ腹にドフッと捻じ込んで強制的に黙らせた。
「ァガッ!!」