今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
なら、親子水入らずの邪魔にはならないだろうか?
でも……、と陽茉莉は思い直す。
「でも、礼也さんは私がずっとここにいると迷惑でしょう?」
相澤は不機嫌そうに眉根を寄せた。
「迷惑なはずないだろう。俺にはお前が必要だ」
陽茉莉の胸はドキンと跳ねる。
悠翔の世話をしたり、癒札を作れる陽茉莉が相澤にとって必要な存在なことは十分に理解しているけれど、その言い方がまるで〝陽茉莉という存在が自分にとって必要〟と言われているように感じた。
「だから、ここにいろ」
陽茉莉の片手を、相澤が手に取る。
もう一度力強くそう言われた。