あの夢の続きをもう1度描けたら

それでも絞りきるように声を出した。


「わたしは全然何もしてない……っ」


皆に助けられてばっかだ。


わたしは……お荷物で、足手まといで。

魔法だって使えるようになったのは皆のおかげだ。


「最初、アーケードで騎士団にやられた時。俺はヒナノの魔力がなかったら既に死んでた。それだけじゃない。ニゲラを連れてきてくれたのも、今こうして魔法を使って助けてくれたのは……紛れもないヒナノだ」


「それだったらわたしだって……!」


初めてトラオムに来てドラゴンに襲われた時。

ユキがいなかったら、わたしはそれこそ死んでた。

ニゲラだって無事でいられなかったかもしれない。

ユキがいなかったら、アランやユラハにも出会えなかった。

ユキがいなかったら、魔法だって使えなかった。


「ユキにたくさん助けられた……!」


アランだってユラハだってニゲラだって。

色んな人の力があって、わたしはここにいられる。

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