Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
「いや、ゴメン。確か7組の人だよね?」
「え、」と、驚いて智政を見ると、彼はひとしきり笑い終えたのかゆっくりと息を整えて私の方を見た。
「赤星。アイツの彼女でしょ?」
「あ、……うん」
一瞬でも、智政が私の事を知っていたのかと自惚れそうになったけれど、自分の勘違いに頬がジワリと熱くなる。
……そうだよね。そんなわけないか。
赤星がめちゃくちゃ目立つから、ついでにその隣の私も見た事あるって事だよね。
……なんだか物凄く変な気分だ。
自分の夫に、違う男の彼女なのだと指摘されるのはなんだか随分くるものがある。
目の前の智政は、確かに私の知っている智政なのに。
彼は、私の事を知らない。
知らないどころか、今はお互い違う人と付き合っているなんて……そう思うと何故だか胸の辺りがギュッと締め付けられる。
しかもこうやって、智政と会話をする事自体が久々過ぎて変に緊張して口が乾く。
お互い黙ったままで気不味い空気に焦りを感じ始めた時、智政が豆乳のストローを口に咥えてまた小首を傾げた。
「何かここに用事? さっき緊張がどうの、って聞こえた気がしたけど」
ドキッと心臓が大きく跳ねて、耳が熱くなる。
さっきの独り言、聞かれてたのか!
「あっ、いや、ううん! 別になんでもない! ちょっと一人で……そう! 静かに考え事がしたくてっ」
そう言ってから、しまった! と思う。
こんなこと言ったら、智政帰っちゃうじゃん!
案の定智政が、「あー、ゴメン。俺邪魔だよな」と帰ろうとするから、慌ててブレザーの裾を引っ張ってしまった。