i -アイ-
今はとりあえずこの場を落ち着けて、企画を回すことをあたし達は考えなきゃな。
椿さんのことは心配だけど、出来ることがあるわけじゃないから。
「蓮、メイク俺やるから着替えたら来い」
本番蓮のメイクが出来ないことが1番悔しいんだろうな、椿さん。
あたしも着替えを直ぐに済ませ、蓮のメイクをする。
「……蓮、眉間にシワ寄せるな」
「……顔触りすぎ」
「メイクなんだから仕方ないだろ」
「……」
もしかして、あたしを女の枠に入れてるの?
「触られたら感じちゃうって?」
そう言えば、蓮はバッと目を開けて
「はっ、はぁ!?てめ、何言って」
慌てふためく蓮の額に渾身のデコピンをお見舞する。
「いっっってえ!!!」
「図星か。豚でも想像しとけ」
「お前豚に失礼だぞ」
「どこに配慮してんだよ」
そんなこんなでメイクを終えれば、周りの女子たちが思わず声を漏らす。
「わぁ」
椿さんのメイクももちろん凄い。
けど、椿さんは蓮の綺麗さを引き立たせるメイクだった。
けど
「アリスなら、こうだろ」
蓮は何かと眉間に皺を寄せるから、困り眉っぽく。
切れ長じゃなく、丸目に見えるように工夫した。