i -アイ-




ノックをして入ると、本を読んでいる椿さんが居た。



「お見舞いなんて、大袈裟よ」


とあたしを見て言ってから、蓮を見て目を見開く。



「大袈裟じゃないでしょ。うちのクラスの委員長さんで、企画1番頑張ってくれてるの椿さんなんだから」



そう話しながら近づき、椅子に座っていいか尋ねてから座る。



「どう?体調は」


顔色は確かに悪い。


でも、倒れていた時よりはだいぶ変わった。


「点滴もしているし、体が重いのが少しずつなくなっていく感覚がする。……心配、かけたわね」


心配、していたんだろうか、と恐る恐る自信なさげに聞く椿さん。



「全然いいよ。クラスのみんなも椿さんが頑張ってくれていたのを知ってるし、大変な思いさせちゃったって責任感じてる子もいてさ。」


「そんなの」


「自分がやりたいことだから、大変でもなんでもない、って?」



なんで分かるの?!って顔してる。



「クラスの皆には、企画が成功することが椿さんの願いだろうから頑張ろうって伝えておいた。あ、これ」



今日の写真を見せる。


客入りから、改善点まで。

色んなことを話した。

自分は明日も出れないのに、真剣に。



「よし」


決めた。



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