i -アイ-




「お疲れ様です」


そう言えば、ふふ、と笑う碧さん。


「藍人は綺麗だね」


……何がだ。


「純粋で真っ白。凄く素直な子だ」


……あたしが、蓮に思うことと同じ。


「もちろん、i として振る舞う時は別人のようだけど、最近は藍人として俺と話してくれているようで嬉しいよ」


碧さんの横顔を見れば、夜の光に照らされて浮かび上がるシルエットがとても妖艶で。



「所詮、子供ですから俺も」


「そうだね。もっと歳が近ければなぁ」



あたしは誕生日を迎えていない。
つまり、15歳。


対し、碧さんは39歳。

24も違う。


「どういうつもりで、あそこで俺の顔を晒したんです?」



子供は子供でも、i であるからには詳しく説明してもらわなければならない。


一つ一つの行動にワケがある。

特に碧さんは。



「藍人、君は俺に付くつもりなんだろう?」


「ええ」


「なら、挨拶をしなければいけない」



理解した。


あそこであたしの顔を晒したのは、幕開けという意味。

挨拶前の、披露。



「そろそろ親父に藍人のことを話さないと、怒られてしまうからね」



親父。



つまり、鬼龍組組長。




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