i -アイ-
それは否定できないけれど。
「純粋で真っ白、そう碧さんが感じる俺が素ですよ。俺は元々そんなに力のある人間じゃないですし、碧さんも分かっている通り、男にしては華奢ですし。大きく見せるのが大変なんですよ」
あたしの情報は教えられない。
けど、その分、自分の内面を晒すことは出来る。
あたしは碧さんに付くと決めたから。
『碧をよろしく』
あの手紙を読んだあの日から。
「藍人」
名前を呼ぶ碧さん。
「守ります」
あたしの言葉を、静かに聞く碧さん。
「素の碧さんも、それ以外の碧さんも、俺に守らせてください」
嘘の碧さんも、本当の碧さんも、あたしは知ったから。
ここからが、本番だ。
「挨拶、スーツの方がいいですよね?」
そう聞けば、目を伏せて、少し考える碧さん。
「碧さん?」
「ここから先は危険だけど、それでも君は進む?」
何を今更。
「君がなんの目的を持ってそんなことを言うのかは分からない。それが本当か嘘かも。けど俺はね?君を失うのは惜しいと思い始めてる」
ここで、死なないですよ俺は、なんて言ったところでなんの意味もない。
なんの意味も持たないということを、あたしと同じぐらい理解してるのは紛れもなく碧さん。