i -アイ-




それは否定できないけれど。


「純粋で真っ白、そう碧さんが感じる俺が素ですよ。俺は元々そんなに力のある人間じゃないですし、碧さんも分かっている通り、男にしては華奢ですし。大きく見せるのが大変なんですよ」



あたしの情報は教えられない。

けど、その分、自分の内面を晒すことは出来る。



あたしは碧さんに付くと決めたから。



『碧をよろしく』


あの手紙を読んだあの日から。



「藍人」



名前を呼ぶ碧さん。



「守ります」



あたしの言葉を、静かに聞く碧さん。



「素の碧さんも、それ以外の碧さんも、俺に守らせてください」



嘘の碧さんも、本当の碧さんも、あたしは知ったから。



ここからが、本番だ。



「挨拶、スーツの方がいいですよね?」


そう聞けば、目を伏せて、少し考える碧さん。


「碧さん?」


「ここから先は危険だけど、それでも君は進む?」



何を今更。



「君がなんの目的を持ってそんなことを言うのかは分からない。それが本当か嘘かも。けど俺はね?君を失うのは惜しいと思い始めてる」



ここで、死なないですよ俺は、なんて言ったところでなんの意味もない。



なんの意味も持たないということを、あたしと同じぐらい理解してるのは紛れもなく碧さん。




< 342 / 457 >

この作品をシェア

pagetop