今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
驚いて携帯端末を取り落としそうになった。『今』『頼んだ』と言った? このマンションの一階のカフェで?

「……ここに……来ているんですか……」

『ええ。せっかくなら綺麗なお顔を見てお話がしたかったので。あ、警戒されてます? 大丈夫ですよ、ひと目につくところで暴力なんて振るったりしませんから』

……暴力どうこう以前に、マンションまで特定されているところが怖すぎる。

さすがに人前で暴れたりはしないだろうけれど。自慢の会社をクビになるような行動はしないはずだ。

でも、なにか陰湿な嫌がらせをされそう。会いたくない。すごく会いたくない。

「お話しすることはありません……」

『そうですか……残念です。このまま帰るのもなんですから、あなたの彼氏のお勤め先にでも顔を出してみましょうか。ここから歩いて五分程度でしたか』

「……!」

悠生さんの病院まで把握している!? 職業や勤務先まで調査済みだなんて、この人はいったい、どこから情報を得ているのだろう。

悠生さんが危惧していた通り、本当にストーカーなのかもしれない。この人がなにをしでかすかわからないという恐怖でいっぱいになる。
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