今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「あなたの恋人の西園寺さん――素性をお聞きして驚きました。ご実家は関西圏最大の医療法人。お父さまは西園寺病院の院長でありながら、グループのトップに君臨されている偉大なお方だとか」
「……それも調べたんですか?」
「いえ。これはあなたのお母さまからうかがいましたけど」
私は額を押さえる。お母さんったら悠生さんの出自を自慢したんだ。
悠生さんが医師であること、今は須皇総合病院に勤めていることは母からの情報かもしれない。
「当初のプランでは、私と結婚するほうが金銭面でしあわせになれると説得するつもりだったんですが、正直なところ、総資産では西園寺家に勝てそうにありません。ですので、あなたのキャリアについてお話ししたいと思います」
長門さんがカチャと小さな音を立ててコーヒーカップをソーサーに置く。
私は背筋を正したまま、うそ寒い笑みを浮かべる彼を真っ直ぐに見据えた。
「あなたは出版社の仕事を続けたいと言った。百歩譲って、私と結婚してくださる場合、仕事を続けていただいてかまわないこととしましょう。まぁ、妻の仕事に理解のある夫というのも、寛容でおもしろいかと」
主張を呑んでくれた――というよりは、自分の見え方を気にしているようだ。ひとまず黙って彼の言い分を聞くことにする。
「……それも調べたんですか?」
「いえ。これはあなたのお母さまからうかがいましたけど」
私は額を押さえる。お母さんったら悠生さんの出自を自慢したんだ。
悠生さんが医師であること、今は須皇総合病院に勤めていることは母からの情報かもしれない。
「当初のプランでは、私と結婚するほうが金銭面でしあわせになれると説得するつもりだったんですが、正直なところ、総資産では西園寺家に勝てそうにありません。ですので、あなたのキャリアについてお話ししたいと思います」
長門さんがカチャと小さな音を立ててコーヒーカップをソーサーに置く。
私は背筋を正したまま、うそ寒い笑みを浮かべる彼を真っ直ぐに見据えた。
「あなたは出版社の仕事を続けたいと言った。百歩譲って、私と結婚してくださる場合、仕事を続けていただいてかまわないこととしましょう。まぁ、妻の仕事に理解のある夫というのも、寛容でおもしろいかと」
主張を呑んでくれた――というよりは、自分の見え方を気にしているようだ。ひとまず黙って彼の言い分を聞くことにする。