今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
パチリと目が合って、しばし見つめ合う。悠生さんはまだ少しぶつぶつと文句を言っているものの、落ち着いたらしかった。

「本当に警戒心がまるでないんだから……。君が無事でよかった」

私の肩を引き寄せ抱きとめる。さっき叱った分を帳消しするかのように優しく。

「もう二度とあの男とふたりきりで会うなよ? ……また携帯の番号を変えないといけないな」

また契約し直しかとため息をつく。とはいえ、最後に悠生さんが念を押したから、これ以上番号を追跡されることはないだろう。

「……感謝しています。助けてくれたことも……それから、私の仕事をちゃんと考えてくれていたことも」

育児も仕事も頑張りたいという私の意志を、聞かずとも察してくれていた彼。

今の会社を辞めることになったときの、再就職先まで考えてくれていた。

「あの程度はね。でも、結局頑張んなきゃならないのは杏自身だから」

「でも、子どもも仕事もあきらめないでいいって言ってくれたから……」

それに、『宝物が増えた』と言ってくれた。

減っていくわけではない、増えていくのだと、彼は私に教えてくれた。
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