今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
すごく彼は正しくて冷静で、うれしい反面悲しくなる。そんな私を見透かすように彼は優しくささやく。

「わかっていると思うけど、抱きたくないわけじゃないよ。本当はものすごく、とんでもなく、抱いてしまいたいんだからね?」

「ん。わかってます……」

思わず苦笑してしまう。彼の気遣いや選ぶ言葉がいちいち的確で、まるで心を読まれているかのようだ。

「……でも、今日は離れたくなくなったな。……一緒に寝る?」

「…………はい」

控えめに頷いたけれど、本当はすごくうれしかった。

準備ができたら君の部屋に行く、彼はそう言ってくれたけれど、私は「ううん」と首を横に振る。

「私、悠生さんの部屋で寝たい、かも、です」

「俺の?」

突然のお願いに彼はキョトンと目を丸くする。

彼の寝室にはほとんど入ったことがない。赤ちゃんを身ごもった、あの日一度だけ。それも、入るときも出るときも真っ暗だったから、どんな部屋なのかよくわからなかった。

入るなと言われたわけではなく、入る機会がなかっただけ。

でも、そんなプライベートなスペースに私を招いてくれたら、うれしい。
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