今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「君の部屋のほうがずっと綺麗だと思うけれど……君がそうしたいのなら、俺はかまわないよ」

私たちはそれぞれシャワーを浴びて、寝る支度を済ませる。リビングでのんびりしていると、彼が寝室に招いてくれた。

寝室は、くの字形になっていて、奥は書斎。本棚には医学書がたくさん並んでいて、どれも分厚くて、難しそうで、高価そうなものばかりだ。

手前にあるベッドスペースはとてもシンプルで、メリハリのあるインテリアがなんだか彼らしい。

「俺の部屋なんて、見て楽しい?」

「楽しいですよ。こういうのって、性格が出ますから」

キョロキョロとあたりを見回しながら、彼の好みを探る。

壁にかけられている海外の風景写真を見て、リビングにも同じような写真集があったなぁと思い出す。

「悠生さんて、掴めないところがあるから。少しでも手掛かりがあるとうれしくて」

執務卓には上品な万年筆と書類の束。インクの色が赤いところを見ると、医学論文でもチェックしているのかな?

ああ、家に帰ってきても彼はこうやって仕事のための勉強をしているんだ。

私が感心していると、彼がうしろでクスクスと笑い始めた。
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