今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「杏。いつの間にか、君、俺にベタ惚れだね」

「へ!?」

思わぬことを指摘され、驚いて振り返る。ベタ惚れ!? これってベタ惚れなの!?

長門さんから助けてもらったせいか、彼の存在は私の中でいっそう大きくなっている。とはいえ、あらためて指摘されると恥ずかしい……。

目を逸らすと、彼は悪戯っぽい笑みを浮かべたまま私の顎を押し上げ、目線を自分に向けさせた。

「でも、それは恋であって、まだ愛ではないのかな。頑張るよ。君の恋が愛に変わるように」

お風呂上がりの温かい手を私の頬に添え、そっとキスをする。

唇もまだ温かい。ほっと心が安らいで、気がつけば彼の体にもたれていた。

「あーあ。早く君を抱きたい」

そう言って、私をゆっくりとベッドにエスコートする。

久しぶりの腕枕と甘いトーク。わずかに鼓動が速くなって、その夜はなかなか寝つくことができなかった。


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