今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「ええと、その、もちろん、入籍も予定しています。順番が少し前後しましたが……」

「ああ! それはよかった」

未婚のまま出産か――デリケートなことなので聞くに聞けず、変な詮索をさせてしまったのだろう。泉河さんは安心したように息をつく。

「……それで、今後の仕事に関してなんですが」

「ああ、わかった。もう少し楽な仕事を回せるように調整してみる。くれぐれも無理はするなよ。特に育休明けは、時間に融通の利く業務を――」

泉河さんの言葉に、少し悲しくなってしまう。

もちろん、私の体を気遣ってのことだと思うけれど、左遷のようにも聞こえてしまう。

「……あの、仕事は今まで通りやらせてもらえないでしょうか?」

「今まで通りって……終電近くまで残ってる日もあるだろ? これからはそういうわけにもいかないし――」

「家でできる作業もたくさんありますから。育児だけでなく、仕事もキチンとやりたいんです」

育休明けは特に子どものお迎えなど、時間に制限がつくだろう。

でも、たとえ早く帰宅しなければならなくとも、家で仕事を頑張ればなんとか。

しかし、そんな私の考えを知って、泉河さんの顔色が変わる。
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