今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「それに、一生このままってわけじゃありませんし。やりたいこともやれることも、その都度変わっていくでしょうから」

食事をすべて運び終わり、私たちはダイニングテーブルに向き合って座る。いただきますと胸の前で手を合わせた。

「前にもお話ししましたが、結婚することになったことも、妊娠したことも、後悔はしていないんです。どんな子が産まれてくるのか楽しみだし、三人での生活も、とてもわくわく……してる……し」

悠生さんがこちらをじっと見つめていることに気がついて、なんだか照れくさくなり尻つぼみになってしまった。

顔を伏せると、彼のクスクスという笑い声が聞こえてくる。

「君のそういう前向きなところ、俺は好きだよ」

「前向き……?」

「どんな苦難がやってきても、きっと君はポジティブに変換してしまう。前を向いて歩き続けようとする。だから俺は君を選んだんだ」

根拠のあるような言い方をされて、私は彼の前でそこまでポジティブに振る舞っていたかなぁ?と首を捻る。

悠生さんはすでに視線を料理に向けている。こんがりとした焼き目の入った牛肉と彩り豊かな温野菜を見て、あれ?と首を傾げた。
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