今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
そんなことをぼんやりと考えていると、例のイケメン医師が戻ってきたようだ。入院棟のほうから歩いてくる。

今度は患者ではなく、女性看護師を連れていた。看護師は医師に追い縋り、必死になにかを尋ねているよう。

患者さんの処置について確認しているのかな?

そう思いきや、存外甘ったるい声が聞こえてきた。

「ねぇ先生~、内科の鎌田さんとお食事に行ったって本当?」

「さぁ。どうかな」

「私とはいつ行ってくれるんですかぁ?」

「お誘いありがと。時間が取れたら連絡するよ」

……お医者さんって、本当にモテるのね……。

対する先生は、笑顔を浮かべながらもどこかドライに答えている。

「先生、いっつもそればっかり。本当にデートしてくれる気あるの?」

「約束した日に限って急患が来ちゃうからさ」

「この前のときなんて、患者さん、結局盲腸だったんでしょ? 先生が待機してた意味ある?」

「あるある。あの日は緊急オペが多くて、動けるのが俺しかいなかったからね」

「先生、わざとそういう日に限って約束してない?」
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