今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
すると、外来から別の女性看護師が歩いてきた。通りすがりについでとばかりに声をかける。

「あ、先生、金曜日の懇親会なんですけどー」

「……ああ、今週だっけ?」

すると先生は、にっこりと愛想よく微笑んで答えた。

「了解。さっさとオペ終わらせて向かうから、先に行って待っていて」

軽々しい返答に、横で聞いていた私はえぇぇぇ~……と軽く引いていた。

医師がさっさとオペ終わらせて遊びに行くってなに?

そんな理由で手抜き手術をするなんて、医師として最低じゃない? しかも、術後の経過も見ずに遊びに行く気?

もしかしたらこの人、チャラいダメ医師なの? どことなくへらへらしていて軽薄そうに見える。

騒がしい医師と看護師たちの一団が通り過ぎ、私はふうと息をついた。

どうやら、医師は医師でも眞木先生のような真面目な医師から、遊び半分のいただけない医師まで千差万別のようだ。

私の担当医が眞木先生で本当によかった、そんなことを思い胸を撫で下ろす。

ふと眞木先生のことを思い出して我に返り時計を見れば、もう待ち合わせ時間五分前。

しまったと立ち上がり、慌てて外来へ向かった。


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