今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「どうしてそんなこと、するんですか……私なんて……ただの代わりなのに」

「代わり?」

階段から落ちる前、駆られていた不安を打ち明ける。

悠生さんと美濃さんの仲のよさに嫉妬してしまったこと。自分と結婚してくれたのは、彼女を助けるためだったのではないかと疑ったこと。

どうして自分を結婚相手に選んでくれたのか、今でもよくわからないこと。

「……美濃さんのことを救うために、私と仕方なく結婚したんじゃないかって……」

「……君のほうこそ、大バカだ」

呆れたように苦笑して、私の頭をぎゅっと包み込む。

言い方はひどいのに、抱き留める腕はとても優しくて、混乱してしまう。

「どんな歪んだ解釈をしたらそうなるんだ。こんなに愛しているのに」

「……ごめんなさい。だって、不安で……」

「君はいつも、前向きで、明るくて、ポジティブな人なんだと思っていたよ」

その言葉に顔をあげる。彼は困ったように眉尻を下げて、私をじっと見つめていた。

「でも、違うんだな。本当は、一生懸命、前を向こうとしていたんだ」

彼に言われてハッとして大きく目を瞬いた。
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