今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「悠生さんに甘えてしまっている、私のほうが姑息なんじゃないかと――」

「違うよ。俺が君を縛りつけた。俺が君の人生を、未来を、強引に奪ったんだ」

その言葉通り離すまいとでもいうかのように、彼は私を強くかき抱く。

けれど、身動きのとれない窮屈さすら、今の私は心地よいと思ってしまう。

「身勝手かもしれないけれど、後悔はしていない。これでよかったと思ってる」

彼は私の体をそっと離し、真正面から向き合った。逃れようのない真摯な瞳に絡めとられる。

「責任を取らせてくれ。君を縛りつけてしまった罪は、俺が一生かけて償う。だから、杏――」

彼の両手が私の両頬を包み込む。コツン、と額と額がぶつかって、私と彼との距離がゼロになる。

「俺と、結婚してくれ」

いつかも聞かせてくれた台詞を、もう一度、丁寧に懇願される。誓いの口づけと一緒に。

その求めに応え、私はゆっくりと目を閉じた。

縛りつけられただなんて考えたことはない。ましてや罪を償わせようだなんて。

「……私も、これでよかったと思っています。悠生さんに子どもを授けてもらえて」

唇を離しながらゆっくりと目を開けると、困惑気味の彼が私をじっと見つめていた。
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