今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「賭けにのったのは、私自身が望んだことです」

『今夜、妊娠できたら俺と結婚する』そんな無茶苦茶な賭けにのってしまったのは、彼との未来を予感したからだ。きっとしあわせになれると直感した。

「それに、あの日、賭けにのらなかったとしても、きっといつかは悠生さんを選んでいたと思うから」

彼が私を愛してくれる限り、きっと私も応えるだろう。結局は同じ未来に辿り着いていたはずだ。

「悠生さんのことが好きです。優しいところも、少しずるいところも、ちょっと意地悪なところも。……それは、恋なんだろうなって思っていました」

魅惑的な彼という花に吸い寄せられた蝶のごとく、本能的に、彼の魅力に溺れていく自分を感じていた。

でも、今は少し違う。

「今は、前よりももっとずっと好き……この気持ちが『愛している』に繋がっていくのかなって思うんです」

彼に助けられ、代わりに彼が倒れ、残酷なほど体を張った愛を見せつけられて。

彼を失う可能性を否応なしに突きつけられて。

「だって、私の未来に悠生さんがいないだなんて、考えたくなかったから」

彼とともに歩く未来以外、存在しないのだとはっきりと感じた。その感情は、恋という響きじゃとても収まりがつかない。
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