今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「愛と恋の違いなんて、よくわかりませんけれど。でも、私、気づいたことがあるんです」

魅了されている、それだけにとどまらないほどの思いが胸の中にあるのだと、気づいてしまった。

ともに生きたいという、明確な意思がある。

「家族になる心の準備が、でき始めているのかなって……」

「杏」

たどたどしく言葉を紡いでいた唇に、彼の人差し指があたり、その先を制された。

「恋と愛の違い、教えてあげようか」

見れば、艶やかな瞳が私のことを見下ろしている。甘くて、でもちょっぴり意地悪な表情は、きっと私にしか見せない顔。

「……教えてください」

素直に教えを乞うと、彼は私の頬をするりと撫で、愛おしげにささやいた。

「恋は自分がしあわせになるためのもの。愛は相手をしあわせにするためのものだ。俺は自分もしあわせになりたいし、君をしあわせにもしたい。……君は?」

彼が作った恋と愛の定義。そもそも正解なんて存在しないのだろうけれど、でも妙になるほどと納得して、私は自分の心に問いかける。

「だったら、私は――」


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