今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
妊娠十カ月目。季節はもう十一月に差しかかっていた。
お腹ははち切れんばかりにパンパンで、いつ産まれてもおかしくない。陣痛はいつ来るのだろう。それ以前に、ちゃんとこれが陣痛だってわかるだろうか。
急に破水してしまったらどうしよう、そんな期待と不安でドキドキする日々。
そんな中、悠生さんがご両親を私たちの家に招いた。
ご両親にとって、私の第一印象は最悪だろう。突然姿を現したどこの馬の骨かもわからない女が、息子の子どもを身ごもり掻っ攫っていった、そんなふうに見えているはず。
結婚に異論はないと伝え聞いてはいるものの、嫌味のひとつくらいは言われるかもしれない。そう緊張しながら彼らの到着を待っていると。
訪ねてきたご両親は、両手いっぱいに手土産を抱えていて、少なくとも敵意を持っているようには見えなかった。
リビングのソファにご両親は並んで座り、その斜め横に私と悠生さんが腰を下ろす。
まず口を開いたのは悠生さんのお父さまだった。
「ふたりの結婚を祝福する」
あまりにも強張った顔で言われたので、素直に喜んでいいのかわからない。悠生さんは予想していたかのように、悠然とソファにもたれかかった。