今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「……それで、母さんのほうは納得してくれたんですか?」

悠生さんのお母さまは、答えづらそうにふいっと視線を逸らす。反論がないところを見ると、渋々といった感じなのだろう。

代わりに答えてくれたのは、お父さまのほう。

「私と母さんでちゃんと話し合ったんだ。悠生がどうしてこんなにも見合いを拒絶するのか……そもそも、私たちの仲が悪いから、結婚に希望が持てなかったんだろう」

「息子にそんな姿を見せてしまったことは、悪かったと思っています」

お母さまがこちらを向いて小さな声で答える。

「私が家柄にこだわっていたのは、この人が私のことを見向きもしなかったから。家柄のいい女であることしか、私がこの人と結婚した理由がなかったからよ」

「それは違う。俺は君がしっかりした女性だと知っているから、家のことも息子たちのことも一任していたんだ。だいたい、家のことに口を出すと、不満そうにしていたじゃないか」

「不満だったのは、あなたが家のことに興味もないくせに、知ったような口を利くから!」

「それは君が『仕事に集中してくれ』と言ってくれたからだろう! 素直にそうさせてもらってなにが悪い!」

「額面通り受け取る人がありますか! あなたがそんな態度だから、悠生が結婚を嫌がるんじゃありませんか!」
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