今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「……わかりました。では、金曜日の十一時から一時間程度、お付き合いお願いいたします」

とにかく、大至急カメラマンを手配しないと。馴染みの人が捕まるといいのだけれど、急だから難しいかもしれない。

時間が押さないように気をつけなければ。とはいえ、モデルがこのクオリティだから、撮影もすんなりと終わるかもしれない。

「質問内容については、あらかじめメールでお送りしておきますね。こちらのメールアドレスにご連絡いただけると助かるのですが――」

手帳のカバーにあらかじめ挟んでおいた名刺を一枚抜き取り、差し出すと。

「――そうだ。このあと時間ある?」

名刺を受け取りながら、突然彼が思いついたように尋ねてくる。

「あ、はい。かまいませんが、なにか?」

「百聞は一見にしかずって言うからね。おいで」

一方的にそう告げると、西園寺先生はすたすたと正面玄関を出ていってしまった。

「あ、待ってください……!」

私は慌てて彼のあとを追いかける。

中庭を突き抜けて、どうやらその奥にある入院棟に向かっているよう。
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