今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
席を立とうとすると、彼は「待って」と言って私を引き留めた。

どうしたのだろう? 言われた通り座り直すと、彼はテーブルから身を乗り出して私のことをじっと見つめた。

「俺が質問に答えたんだから、今度は君が答える番だよね」

「はい?」

私に質問? 彼の言葉にキョトンと目を丸くする。

「私に答えられることでしたら」

「じゃあ聞くけど、あんずちゃんって、眞木先生のことが好きなの?」

思いもよらぬことを聞かれて答えに詰まる。

どうしてそんなことを聞くのだろう? 私、そんな態度を取っていた? 自覚はまったくない。

「尊敬はしてますよ」

「ごまかさないで。恋愛のことを言ってる。眞木先生に抱かれたい?」

「っ!?」

直接的なことを口にされ、頭がパニックになる。

眞木先生のことはとても尊敬しているし、憧れてもいるけれど、恋をしているわけではないし、ましてや抱かれたいなんて思ったことはない。

とはいえ、言われれば意識をしてしまうもので、眞木先生の笑顔が頭をよぎった途端、条件反射のように頬が真っ赤に染まってしまった。
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