今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「帰るなら送っていくよ。俺も荷物持ってくるから、少しだけ待っていてくれる?」

なにも知らない眞木先生は爽やかな笑顔を浮かべている。

ホッとして頷こうとすると、突然背後から手が伸びてきて、私の首筋に回った。

「ひゃあっ!!」

頭を抱きしめるように腕を回され、驚いた私は声をひっくり返らせる。

眞木先生も呆然として、私のうしろに立つ人物――西園寺先生に目を向けた。

「眞木先生。悪いけど、ひとりで帰ってくれます? 彼女はもう少し俺といいことしたいそうなので」

覆いかぶさられるように抱きすくめられ、鼓動がばくばくと大きく音を立てる。

私と彼の身長差は、二十センチくらいだろうか? 私は彼の顎の下にすっぽりと収まってしまい、彼は私の頭の上で悪戯っぽく笑っている。

「ちょ、あの、西園寺せんせっ――」

抵抗しようとしたけれど、あっさりと腕を掴まれ防がれる。耳もとで挑発的にささやかれた。

「それとも眞木先生と一緒に帰りたいの?」

「あの、ですからそういうわけでは――」

「だったらいい子にしてて。君が取材したいのは俺でしょう?」

にっこりと甘い笑みを浮かべられ、不意に胸がざわついて言葉が出なくなる。
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