今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
私は働きたいのだ。ライターという仕事が好き。ずっと専業主婦だった母にはわからないのだろう、仕事の楽しさというものが。

忙しいからつらいとか、拘束時間が長くて給料が低いから割に合わないとか、そういうことではないのだ。

ちなみに、後者はお見合い相手から言われた言葉。出会ってすぐ、私の仕事を全否定された。

薄給なのに真面目にやるだけバカらしいとか、ライターなんてなんの社会貢献にもならないくだらない仕事だとか。

私は自分の書いた記事を楽しく読んでもらいたいだけなのに、そんなささやかな願いすら理解してはもらえなかった。

相手が大金を扱う証券マンだったからかもしれない。彼は強い自負を持っており、同時にプライドが高く、自分の価値観以外を受け入れられない人だった。

いろいろ言われたなぁ。『女は綺麗でなんぼ』とか、『女は金を稼がなくていい』とか、『いつでも人を招けるように家の中は完璧にしておいてくれ』とか。要するに見栄を張りたいのだろう。

極めつけは『セフレ程度ならいてもらってもかまわない、俺も好きに遊ぶから』だったか。

このセリフにはさすがの私もドン引きして、母にも報告できなかった。
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