パラダイス、虹を見て。
 翌日。
 いつものように、日の出と共に畑に来て。
 アラレさんと何をするかを話し合う。
 それぞれの役割分担を決めて。
 仕事をしていると。
「カスミちゃん」とアラレさんに呼ばれた。

 ふと、畑から目をそらして。
 アラレさんが指をさしたところを見ると。
 信じられない光景が目に入った。

「この格好で大丈夫ですか?」

 立っているのは、まぎれもなくサクラだった。
 ピンク色のつなぎ姿に。
 麦わら帽子を被って。

 一瞬、変な夢でも見ているのだろうかと。
 (まばた)きをしたけれど。
 目の前のサクラは消えなかった。

「私も手伝います」
 にっこりと笑ったサクラのほっぺたに、えくぼが浮かんだ。

 呆然としていると。
 近くにいたアラレさんが「アハハハ」と大声で笑い出した。
「手伝ってくれるんだ? ありがとう」
「・・・本気で言ってんの、サクラちゃん」
 半信半疑で質問すると。
 サクラは笑顔を崩さずに「はい」と頷いた。
「私に合わせなくていいんだよ」
「大丈夫です。私、身体動かしたいので。それに…」
「えっ」
 聞こえるか、聞こえないかの瀬戸際。
 小さい声でサクラは「罪人だから」と言った。

「じゃあさ、草むしりしてよ。ねっ」
 何故か上機嫌でアラレさんはサクラに指示をする。
「はいっ」
 と返事をするサクラに「おいおいおい」と突っ込みたくなる。

 元貴族のお嬢様が、畑仕事なんて。
 …いいのか?
「アラレさん・・・いいんですか」
 不安に支配されながらアラレさんに訊く。
「え、いいんじゃない? サクラ、ああ見えても野生児だよ」
「…どういう意味ですか」
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