嘘と愛

 22年前。

 ディアナは産まれたばかりの赤ちゃんを見て、どこか憎らしさを感じた。
 自分にはこんな事できない…何が可愛いの? …

 そう思い嫉妬心しか増してこないディアナは、夜中にこっそり双子を連れて病院を抜けだした。


 先ず椿のほうを、人気のない草むらの中に捨てたディアナ。
 人も通らないだろうと思われる草むらの中、外はまだ夜は寒い、産まれたばかりの赤ん坊は空腹に耐えられないだろう…すぐに力尽きる筈だ。


 そう思ったディアナは、そのまま椿を放置してその場を去って行った。

 そして桜の方は、川岸に連れてきてそのまま放置しようとしたが、なんとなく怒りが増してきて傍にあった大きな石を手に取り顔面目掛けて殴りつけようとしたが。

 誰かが向かってきている気配を感じて、よそ見をしてしまい、顔面ではなく、桜の左手を石で強打した。


 痛みで大声を出して泣き出した桜。


「おい、誰かいるのか? 」

 声がして、ディアナは慌ててその場を去って行った。
 逃げてゆくディアナに、桜の泣き声が響いてきた。



 その後。
 ディアナは別の個人病院に忍び込んだ。

 新生児が寝ている部屋に忍び込み、一番外側にいた女の赤ちゃんを連れ出し去って行った。

 そして病院に戻ってきたディアナは、連れ去ってきた赤ちゃんを椿に見せかけ病院の前に置いて何事もなく見つかったように仕向けた。

 
 そして。
 ディアナは捜索されている桜が死んだように見せかけるため、どうしようかと考えていた。


 そんな時。
 たまたま死産した赤ちゃんがいた。

 その赤ちゃんの遺体を持ち出し、顔が分からない程に石で殴りつけ、椿が死んだように見せかけるため、顔の判らなくなった赤ちゃんの遺体を病院の傍に捨てた。

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