エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「私、料理するの好きよ。大変じゃない。大丈夫」
「ありがとうございます。でもお手伝いぐらいはさせてください」

ナワポンが詩織に温かな目を向けた。

「いつもの詩織ちゃんは、そんな感じなんだね」

どんな感じかと詩織が首を傾げたら、ナワポンが歯を見せて笑った。

「明るくて、やる気満々」
「え……あの、今までやる気がなさそうに見えてました?」
「違うよ。なんて言うのかな。日本語、難しいね。詩織ちゃんは――」

遠慮や気後れ、自分からこうしたいと言えず、決定を周囲に任せて自分は従うのみ。そのように感じたという。
一生懸命ではあるけれど、そこに自発性や積極性はない。
そして不倫騒動がやっと解決した今は、自分からあれこれやりたいと言えるように変わった……という説明であった。

詩織は頷いて止めていた手を動かし、綺麗に洗った茶碗をナワポンに渡す。

「そうかもしれません。こっち側の生活スペース、矢城先生に放っといてほしいと言われていたんですけど、ついに掃除をしてしまいました」

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