エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
家政婦として雇っていないという理由で、掃除は事務所スペースのみでいいと言われていたのに、詩織は数日前に大掃除をした。
その後も日々のこまめな掃除で、清潔な状態を維持している。

もちろん矢城に止められたのだが、『私もここで生活しています。気持ちよく過ごしたいのでやらせてください』と主張したのだ。

皆が集まる夕食は別として、普段の食器洗いや洗濯も各自でおこなっていたのに、『ついでですから』と矢城の分の家事もするようになった。

戸惑う彼に『詩織ちゃんの負担になってない?』と問われたが、笑顔で『少しも』と答えた。
むしろ片付けてスッキリしたいという欲求を我慢しなくて済むので、気分的に楽だ。
ただひとつ、矢城の下着を干す時にはドキドキして、心穏やかではいられないけれど……。

「私が家事をすることに先生が慣れてくださった頃に、食事もふたり分作ろうと思っているんです。普段、先生は、買ってきたお弁当やパン、インスタント食品で済ませてしまうので、体が心配なんです」

これまで健康でいられたのが不思議なほど、矢城は食事に無頓着なので、なんとかしなければと詩織は考えていた。
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