エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
最後の食器を洗い終えて水を止めると、目尻に皺を寄せたナワポンと視線が交わった。

「先生、だらしないからね。ちゃんと食べさせてくれたら私も嬉しいよ。詩織ちゃんがたくさん変わったのも嬉しいね」
「そんなに、今の私は以前と違います……?」

もしかして積極性が迷惑な方に向かっていやしないかと心配になる。
オドオドしなくなっても、根本の性格は変わらない。
詩織は子供の頃から遠慮がちなところが強いのだ。

しかしナワポンが指摘した詩織の変化とは、そのようなことではないらしい。
裏表のないストレートな笑顔で、ナワポンが言う。

「詩織ちゃん、矢城先生に恋してるよね。それが前とたくさん違うところね」
「えっ?」

詩織は焦って振り向いた。
近くには誰もいないが、事務所スペースの方には矢城と赤沼がいる。
幸いにもこちらの会話は届いていないようで、仕事について交わすふたりの話し声は途切れずに続いていた。

詩織はホッと胸を撫でおろし、それからナワポンに声を落とすよう、お願いする。

「そうだね。自分から告白した方がいいね。内緒にするよ」
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