エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「あの、憧れているだけなんです。矢城先生は私を恋愛対象に見ていないでしょうし、お付き合いしたいと欲張るつもりは……」
「恋人になりたくない?」
「……なりたいです」

小声で本音を漏らし、顔を熱くした。
吹き出したナワポンに、詩織は焦って唇に人差し指を当てる。

首を縦に振ったナワポンが、詩織に耳打ちする。

「私はふたりを応援するよ。ただね、詩織ちゃんがたくさんグイグイいかないと恋人は無理ね。先生は根っこが真面目だから。まずは詩織ちゃんの気持ち、伝えたらいいね」

詩織は自分から矢城に告白する光景を想像してみた。
困ったような笑みを浮かべた彼に『ありがとう』と頭を撫でられ、十五歳差を理由に断られそうだ。

美緒よりは大人扱いしてくれるだろうけれど、それでも矢城の前で子供っぽいふるまいしかできていないのは自覚している。

ふられたことで気まずくなるのも嫌だと思ったが、その心配は無用かもしれない。
年齢だけでなく精神的に、矢城は詩織より随分と大人なので、その後も変わらず優しく接してくれそうな気がした。

(告白してもなにも変わらないなら、する意味がないんじゃ……)

< 103 / 245 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop