エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
一歩、引き返そうとしたその時、矢城に足を止められた。
彼の左腕は詩織の肩を抱くようにして回され、右側から顔を覗き込まれる。
鼓動を跳ねさせた詩織は、顔を耳まで熱くした。
「おかしい」と矢城は言い、至近距離から詩織の顔色を読もうとする。
その瞳がなんとなく艶めいて見えるのは、ビールのせいなのか。
彼の温もりや香りをはっきりと感じる。
香水ではなく、洗剤に少々の汗を含んだような男性の香りだが、恋する詩織にとってはまるで媚薬であった。
日中の五割増しで溢れる彼の色気に、心臓が壊れそうに鳴りつつも、詩織は緊張の中で問いかける。
「先生、酔ってますか?」
「ほろ酔い、とまでもいかないな。ひと缶では少しも理性を飛ばさないから安心していい」
(それなら、この腕は……)
「詩織ちゃんの様子がおかしいと思っていたんだ。葉山さんに会わせた後からか。俺と話す時、困った顔をするよな。妙に硬かったり、逃げようとしたり。嫌われたのかと思ったが、そうでもない。俺の身の回りの世話まで焼きたいと言い出す。どういう心境の変化? 話したいこととはそれだろ。遠慮せずに言ってくれ」
彼の左腕は詩織の肩を抱くようにして回され、右側から顔を覗き込まれる。
鼓動を跳ねさせた詩織は、顔を耳まで熱くした。
「おかしい」と矢城は言い、至近距離から詩織の顔色を読もうとする。
その瞳がなんとなく艶めいて見えるのは、ビールのせいなのか。
彼の温もりや香りをはっきりと感じる。
香水ではなく、洗剤に少々の汗を含んだような男性の香りだが、恋する詩織にとってはまるで媚薬であった。
日中の五割増しで溢れる彼の色気に、心臓が壊れそうに鳴りつつも、詩織は緊張の中で問いかける。
「先生、酔ってますか?」
「ほろ酔い、とまでもいかないな。ひと缶では少しも理性を飛ばさないから安心していい」
(それなら、この腕は……)
「詩織ちゃんの様子がおかしいと思っていたんだ。葉山さんに会わせた後からか。俺と話す時、困った顔をするよな。妙に硬かったり、逃げようとしたり。嫌われたのかと思ったが、そうでもない。俺の身の回りの世話まで焼きたいと言い出す。どういう心境の変化? 話したいこととはそれだろ。遠慮せずに言ってくれ」