エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「どうしてそんなに年齢にこだわるんですか。私と先生の歳の差は、頑張っても詰められないのに、私はどうしたら……」

好きな人に他の男性を勧められて傷つかないわけがない。
悲しくなって俯いたら、矢城が慌てた。

「ごめん、詩織ちゃんの気持ちはわかってるから。応えてやれないけどな。俺は詩織ちゃんに笑顔でいてほしい。赤沼の言う通り、しんどい仕事の後は詩織ちゃんに癒されるんだ。だから、ほら、顔を上げて。笑ってごらん?」

鞄と脱いだジャケットを足元に置いた矢城が、詩織の顎をすくった。
泣いていないか確かめようとしたのだろうけど、まるでキスの前のような行為だ。

しょげていた詩織は一転して、驚きとときめきに落とされる。
カアッと朱に染まる頬と真ん丸に見開かれた瞳。
それを間近で見た矢城が、しまったと言いたげな顔をした。

「し、詩織ちゃん、これはなんと言うか……」

うっかり詩織の恋心を煽ってしまった矢城が、慌てて手を離したら、こめかみをヒクつかせる赤沼に詰め寄られる。

「矢城先生。浅木さんをふっておきながら手を出しかけるとは、どういうことですか!」
「誤解だ。うっ……」
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