エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「お母さん、待って。着手金というのが五千円なんじゃない? 後から何十万も取られるかもしれないよ。騙されないように気をつけて」

どうやら娘の方がしっかりしているようだ。
矢城が苦笑して、あくどい商売はしないと告げても、七海は疑いの目を向けている。
破格すぎて信用できないようなので、「あの」と詩織が口を挟んだ。

「矢城先生は、困っている人には低価格で依頼を引き受けているんです。私も助けてもらいました。少し前まで私は問題を抱えていまして、人目を避けていたんですけど、先生が無料で解決に導いてくださったんです。矢城先生に限って、追加の費用を請求することはありません。ご安心ください」

「ひょっとして、と思っていたんですけど……」

母親が遠慮がちに詩織に問う。

「女優の浅木清良さんですか?」

以前の詩織なら怯えるところだが、今は微笑んで素性を明かす。

「そうです。元女優で、今はこちらで事務員をしています。私は矢城先生に救われました。おかげで毎日、楽しく過ごしています。七海さんの問題、一緒に解決しましょう。耐える必要はないですよ。あなたは少しも悪くないんですから」

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