エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
七海もこれ以上責任を問うつもりはなく、もう一度、友達として仲良くしていきたいと許したそうだ。

今日は日曜で、法律事務所の営業としては休みであった。
けれども依頼者の都合に合わせ、出かけることはままある。
赤沼も別件の仕事で外出中。

詩織だけは完全にオフ日であったが、買い物には出かけず、矢城の帰宅を待っていたのだ。
七海の件が気になっていたのと、矢城を労うためである。

時刻は十三時半を回ったところである。
矢城は詩織が淹れたコーヒーを片手に、食卓テーブルの椅子に座っている。
詩織はその向かいの席で、今まで話を聞かせてもらっていた。

矢城の後ろの台所からふんわりと漂うのは、ミートソースの香り。
野菜を十二種類も使い、よく炒めてまろやかに仕上げた、詩織のお手製だ。
火を止めたコンロ上のフライパンはまだ温かい。
話を聞き終えたので、詩織はフライパンを気にした。

「先生、昼食は済まされましたか? 私はスパゲッティを食べたんです。ミートソースがたくさんあるので、よかったら召し上がりませんか?」
「ああ、すまない。食べてきたんだ。吉野さん母娘とファミレスで。今後の相談がてらに」
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