エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む

そう戒めた矢先に昨夜の矢城は、どこに飲みに行っていたのかと考えてしまう。

(もしかして、ひとりじゃなく、女性と一緒だったりして。恋人を作らないようなことを言っていたけど、遊び相手を作らないとは言われなかった。先生だってそういう欲求はあるだろうし……)

嫌だという勝手な感情に、詩織は眉尻を下げる。
遊び相手がほしいなら、せめて自分にしてほしいとも思ったが、それも悲しいと気づく。

ため息をついたら、玄関横の階段に足音が響いた。
これは、ナワポンの足音だ。

ショルダーバッグを肩掛けして、外出の装いのナワポンは、いつものニコニコ笑顔で近づいてくる。
「詩織ちゃん、精が出るね。これ、あげるよ」とチョコレート菓子をくれた。

「ありがとうございます。これから出勤ですか? 夜中までのシフトは大変ですね」
「そうだね。夜は忙しいけど昼より稼げるよ。掃除した部屋数でお金がもらえる。夜はお客さんの出入り、激しいから」
「えーと……あれ?」

ホテルのベッドメイクや清掃の仕事と聞いているが、夜の方が忙しいというのが不思議に思えた。
目を瞬かせた詩織に、ナワポンが豪快に笑う。

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